トップページ > 後遺障害等級
後遺障害等級
後遺障害として高次脳機能障害が認められる場合、患者さんの状況に応じて、以下の表ように後遺障害等級が判断されます。
以下の表にいう「4能力」とは、以下の4つの能力を言います。等級認定の際、重視されるのはこの4つの能力がどのくらい減退しているか、という点です。
従って、日常生活状況報告書を作成する際は、この4つの能力について、どのような状況であるかを意識して記載することになります。いくら、介護の大変さを書きつづっても、正しい等級認定は得られません。気を付けてください。
(1) 意思疎通能力(記銘・記憶力、認知力、言語力等)
職場や学校において他人とのコミュニケーションが適切に行えるかどうか。
(2) 問題解決能力(理解力、判断力等)
作業課題に対する指示や要求水準を正確に理解し、適切な判断を行い、円滑に業務が遂行できるかどうか。
(3) 作業負荷に対する持続力、持久力
一般的な就業時間に対処できるだけの能力が備わっているかどうか。精神面における意欲、気分又は注意の集中の持続力、持久力、意欲や気分の低下による疲労感や倦怠感などについて判断します。
(4) 社会行動能力(協調性等)
職場や学校において他人と円滑な共同作業、社会的行動ができるかどうか。特に協調性の有無や場違いな行動の頻度などについて判断します。
自賠責保険等級 | 神経系統又は精神の障害の程度 | |
---|---|---|
別表 第Ⅰ |
1級1号 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 具体的には以下のa又はbに該当する程度 「a 重篤な高次脳機能障害のため、食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要するもの b 高次脳機能障害による高度の痴ほうや情意の荒廃があるため、常時監視を要するもの」 |
2級1号 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 具体的には以下のa、b又はcに該当する程度 「a 重篤な高次脳機能障害のため、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要するもの b 高次脳機能障害による痴ほう、情意の障害、幻覚、妄想、頻回の発作性意識障害等のため随時他人による監視を必要とするもの c 重篤な高次脳機能障害のため自宅内の日常生活動作は一応できるが、1人で外出することなどが困難であり、外出の際には他人の介護を必要とするため、随時他人の介護を必要とするもの」 |
|
別表 第Ⅱ |
3級3号 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 「以下のa又はbに該当する程度 a 4能力のいずれか1つ以上の能力の全部が失われているもの 1 意思疎通能力が全部失われた例 「職場で他の人と意思疎通を図ることができない」場合 2 問題解決能力が全部失われた例 「課題を与えられても手順とおりに仕事を全く進めることができず、働くことができない」場合 3 作業負荷に対する持続力・持久力が全部失われた例 「作業に取り組んでもその作業への集中を持続することができず、すぐにその作業を投げ出してしまい、働くことができない」場合 4 社会行動能力が全部失われた例 「大した理由もなく突然感情を爆発させ、職場で働くことができない」場合 b 4能力のいずれか2つ以上の能力の大部分が失われているもの」 |
5級2号 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 「以下のa又はbに該当する程度 a 4能力のいずれか1つ以上の能力の大部分が失われているもの 問題解決能力の大部分が失われている例 「1人で手順とおりに作業を行うことは著しく困難であり、ひんぱんな指示がなければ対処できない」場合 b 4能力のいずれか2つ以上の能力の半分程度が失われているもの」 |
|
7級4号 |
神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 「以下のa又はbに該当する程度 a 4能力のいずれか1つ以上の能力の半分程度が失われているもの 問題解決能力の半分程度が失われているものの例 「1人で手順とおりに作業を行うことに困難を生じることがあり、時々助言を必要とする」場合 b 4能力のいずれか2つ以上の能力の相当程度が失われているもの」 |
|
9級10号 |
神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 「高次脳機能障害のため4能力のいずれか1つ以上の能力の相当程度が失われているものが該当する。 問題解決能力の相当程度が失われているものの例 「1人で手順とおりに作業を行うことに困難を生じることがあり、たまには助言を必要とする」場合 |
